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2010/04/28

詩:旅路


題名:旅路
創作日時:2010/5/5

思考の森の中
霧が足元から次第に満ちてゆく
私はどこかを 
走ってゆく
走ってゆく
走ってゆく
あてどもなく

遠くで波の音が聞こえる
鋼鉄の軋む音が否が応にも
私の立ち位置を示している
そう そこからはきっと逃げ出せないのだろう

雨が降っていた
違うリズムで落ちる水滴は
おおまかに見れば一つであって
キーボードをわざとらしく打ち鳴らす音みたいで
時に私を苛立たせる

雷が閃き 近くの木を焼いた
美しい歌声が響き渡り
一つのリズムの
細かいパートを切り取って提示する
乾いた心にじきに染み渡り
無遠慮に開け放とうとする
居心地の悪さは感じない
涼しい外気に満たされてゆき
私は ひとつ頷いて
それらを煙草の煙で追い払う

「なぜ?」
問いを投げかける声は
雨音にさえぎられて
誰の耳にも届かない

いつの間にか
ぬかるんだ泥の中から
小さな緑が顔をのぞかせていて
ただそれだけでいい
それだけでいいじゃないか
それだけで

アクセルを踏みこんだ
きっと海が近い

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