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2007/11/11

詩:星 溶ける 世界

題名:星 溶ける 世界
創作者:雪月 紅葉
創作日時:2007/11/10

躯中から白い溜息をついて
湯船から出たわたしは
一度 灯りを落としにゆく

つま先からするりと
湯に忍び込もうとする
わたしを受け止めきれず
迷惑そうに見つめて
ざざっとごちてから
君たちは場所を譲る

日常の 風景みたいだ
気が抜けたように ぬるい



幽かな月の光が
扉のほんの隙間から差し込んでくる
すこしずつ
見えていなかったものが
顕わになってくる

そうして
水底が
綺麗な
フォレストグリーンに輝き出し
わたしは
その 懐かしい煌めきに誘われて
深く 潜行してゆく



ざこっ ざこっ
ライムの命を奪う音がする
じぃんと香りが脳を撫ぜていく
飛沫が天上に届き
星となり
粉雪のように
静かに降りてきて
わたしの
だらしなく溶け出した
緑色の水に
ほのかに白く光を放ち
じんわりと広がってゆく



哀しみの成分は
いずれ
螺旋を描いて
飲み込まれてゆく

冷えきった
血の通わないこの躯を
あたたかい棺桶にくるんで
硝子細工のような
美しい 明日を
夢に見ている

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