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2007/10/25

詩:塗り固められた画布(キャンバス)

なんか、5年前に付き合ってた、ただ一人本当に好きになった彼女のことをもう、忘れられるな、って夢を見ました。なんでだろう、身近な人間が結婚したりするからかな。

彼女のことは本当に好きでした。逢いにいくのに、ついつい走ってしまうほどに好きでした。女性としても、性格も、性質も大好きだったし、尊敬もしていた。

本当に好きだったからこそ、「埋められないもの」に感づいてしまった時、どうしてもそれが許せなかった。それが違うってことは、別れを意味してたから。ずっとずっと一緒にいたかったけれど、生きるということに対する立ち位置や魂に違いがありすぎた。

なんとかその隙間を埋めようと必死になったけれど、そのことで彼女を傷つけ続けてしまって、結果的に別れることになってしまって、その時に弱い自分に直面して、自尊心もなにもかも、ボロボロになって…別れた直後、吐いたり下したりするわ、三日間家から出ないで寝込んでるわ、そりゃぁもう大変な騒ぎだったなぁなーんて今になれば思えます。あの時周りにいてくれたみんなには、本当に迷惑をかけた…情けない。今いる会社も彼女に対する反発で選んだ…って部分も少しだけあった気がする。

わたしの感情はもしかしたら「彼女に対する愛」ではなかったのかもしれないけれど、あれだけの感情を爆発させることが出来たのは、ひとえに彼女のおかげだと思っています。もしかしたら、もう一生ないかもしれない。そんな彼女に捧げる詩です。一年前に書いたのを、今以上に拙い出来ですが、なんとなく公開したくなった。

もう、会うのは辛いし冗談じゃないけど、今も私にとって、大切な人であることに変わりはないです。本当に、彼女が幸せであればいいなと思う。心からそう思う。祈りをこめて。

 

題名:塗り固められた画布(キャンバス)
創作者:雪月 紅葉
創作日時:2006/8/1

「塗り固められた画布」

わたしが愛したあなた。肉も持たず、魂もない。

わたしが愛したあなた。孤独な北の空に広がる緑色の世界。嵐の夜に咲く一房の可憐な紫の花。


さらば愛しき暁の女神(オーロラ)よ。あなたは触れたとたんに肌の色を変えてしまった。

箒星の輝きは、もうずっとはるか遠く、夕闇に紛れた宝石は、もう二度と見つかることはなかった。

君と歩いたこの木陰は四度目の涙に濡れ、二人過ごした思い出の城に、灯かりは消え、人は絶えて、楽器は不遜な侵略者たちの格好の住処となる。


だが今も二人歩いた道は君の濡れた髪の香りがし、君が放った愛のつぶて、聖母と花の女神が同時に現れた、あのくすぐったそうな、絶世の微笑が、化石となりわたしの心に降り積もる。

ああ、わたしを攫った琥珀色の君の心に、緑など一点もなかったのに。


頭(こうべ)を垂れ、祈るにも似て、千の人を殺した贖罪をするかのように、何度も、何度でも緑の絵筆を塗り付け、あやふやにし、かき乱した!

偽りの緑に塗りつぶされた画布(キャンバス)を破り捨てると、残ったのは筆を握り締めたわたしのはれた指の、紅い紅い血の跡だけだった。


本当は、恋していた、あなたに。


愛していたんだ、ただ、君の笑顔を。

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