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2007/05/18

詩:ガラスの小部屋

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題名:「ガラスの小部屋」
作者:Shine
製作時期:2006年

「ガラスの小部屋」

ある平和な昼下がりに。
灰色雲が、土をドラムに、窓をシンバルに、小気味よく打楽器(パーカッション)を打ち鳴らし、祝宴が始まる。

大地がその身を開き、恵みに魔法をかけると、白葡萄酒(プィィ・ヒュメ)がグラスに満ち、香りはほのかに、どこまでも温かく祝福の印をつけ、霧のヴェールがつり目で物憂げな彼女の素顔を隠し、優しく皆に表情を届けた。

緑の冠を被ったこの果報者は、晴れやかに、艶やかに、爽やかに皆に笑いかけ、ブーケを放り、二人を乗せた車は、音を立て彼方に去ってしまった。

純潔と祝福と優しさで練り上げた世界は失われ、豪華な料理もすでに、醜悪な食い散らかしでしかない。

 

 

手を伸ばすな、若者よ。時にはただ、目を瞑り、暗がりに目を凝らしてごらん。ひっそりと立つ蝋燭に、そっと、そっと火を灯そう。

ガラスの小部屋に映る満天の星空の輝きの、その一つ一つが、永遠(とこしえ)を識(し)る、美しい想いでの語りべたち。

いつでも来るがいい。扉はいつも、開けておこう。

あなた自身が閉じるまで、そのままに。

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